材料受入価格差異
購入価格を予定価格で計算し、のち実際購入価額が判明後差額を材料受入価格差異とするものです。
それでは、具体的に設例を見ていきます。
材料受入価格差異 設例
資料
材料はすべて予定価格を用い、1個あたり単価100としている。
実際当月購入単価は120と判明した。
予定価格で算定
予定価格100でボックスを完成します。
月初:@100(予定価格)×10個=1,000
当月購入:@100(予定価格)×110個=11,000
月末:@100(予定価格)×20個=2,000
当月消費:@100(予定価格)×100個=10,000
材料受入価格差異算定
実際発生額が@120と判明したので、実際発生購入額は
@120×110個=13,200
となりました。
しかし、予定価格ですでに購入価額は計上してあるため、差額分を計上します。
予定価格による購入時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料 | 11,000 | 買掛金 | 11,000 |
実際購入時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料 | 13,200 | 買掛金 | 13,200 |
差額
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料 | 2,200 | 買掛金 | 2,200 |
となるはずですが、予定価格による計上ですでに確定しているため、この差額は材料
受入価格差異として計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料受入価格差異 | 2,200 | 買掛金 | 2,200 |
材料消費価格差異
消費価格を予定消費額で計算し、差額を材料消費価格差異とするものです。
材料消費価格差異 設例
資料
実際1個あたり単価
月初:90
当月購入:110
予定1個あたり単価
消費:100
先入先出法を採用
予定消費の計上
当月消費分を予定消費で計上します。
@100(予定消費単価)×100個=10,000
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕掛品 | 10,000 | 材料 | 10,000 |
実際消費判明時
実際消費が判明したらその金額を当てはめていき、実際の消費分を算定します。
月初:@90(実際単価)×10個=900
当月購入:@110(実際単価)×110個=12,100
月末:@110(実際単価)×20個=2,200
当月消費:900(月初)+12,100(当月購入)-2,200(月末)=10,800
材料消費価格差異計上
予定消費10,000に対し、実際消費は10,800となりました。
この差額が、材料消費価格差異となります。
なお、すでに材料消費は予定価額で仕掛品に振替えているため、生じた差額は
材料消費価格差異で計上します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
材料消費価格差異 | 800 | 材料 | 800 |
10,000(予定消費)-10,800(実際消費)=△800
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