ここでは、CVP分析をみていきます。
順番に
・損益分岐点売上高
・目標達成のための売上高
・安全余裕率
をみていきます。
以降の記事は変動原価と変動販売費を合算したものを変動費とし、売上高との差引を貢献利益とします。
損益分岐点売上高
損益分岐点売上高とは、営業利益が0の場合、売上高はいくらになるかということです。
損益分岐点売上高は
貢献利益率
で求めます。
しかし上記の公式でなぜ求められるのでしょうか。
それではまず分母の貢献利益率から見ていきたいと思います。
貢献利益率
貢献利益率は、売上高の金額に対し原価を差し引いた貢献利益がどのぐらいの割合であるかをいいます。
例えば、売上が100、変動費60の場合、貢献利益は40となります。
これを貢献利益率にすると、
40(貢献利益) =0.4となり、売上高が1の場合、貢献利益は0.4を表しています。
100(売上高)
損益分岐点売上高
貢献利益率がわかったところで、目的の損益分岐点の売上高を見ていきます。
わかりやすく損益計算書に当てはめて考えていきます。
売上高はX、貢献利益率は0.4、固定費は10とします。
損益分岐点売上なので、営業利益が0となります。
なので、
0.4X(貢献利益)-10(固定費)=0(営業利益)
という式になり、
0.4X=10
X= 10(固定費)
0.4(貢献利益率)
のように、最初の公式となりました。
計算結果
それでは、上記の続きで計算していきます。
10 =25
0.4
となり、売上高が25の時、営業利益が0となります。
検証
貢献利益は、売上高25に貢献利益率0.4をかけて10となります。
その後、固定費を差し引くと、営業利益が0となりました。
目標営業利益達成のための売上高
目標営業利益が金額の場合
目標営業利益が100の場合、売上高はどのぐらいあげなければならないかを見ていきます。
求めるには、
貢献利益率
となります。
この公式でなぜ目標営業利益が求められるかを見ていきます。
売上高はX、貢献利益率は0.4、固定費は10、目標営業利益は100とします。
損益計算書に当てはめると下記のようになります。
貢献利益からを元に計算していきます。
0.4X(貢献利益)-10(固定費)=100(営業利益)
→ 0.4X(貢献利益)=100(営業利益)+10(固定費)
→ X(貢献利益)=100(営業利益)+10(固定費)
0.4(貢献利益)
となり、公式と一致しました。
計算結果
それでは、上記の続きで計算していきます。
X=275 となりました。
検証
それでは、売上が275の時、営業利益は100となるか検証していきます。
売上高 275
変動売上原価 165②
貢献利益 110①
固定費 10
営業利益 100
①貢献利益は、売上高275に貢献利益率0.4をかけた数字になります。
②変動売上原価は、売上高から貢献利益を差し引いた金額で求められます。
結果、営業利益が100となりました。
損益計算書をイメージしながら
このように
・損益分岐点売上高
・目標達成のための売上高
はただ公式にあてはめて計算していくよりは、損益計算書を元に売上をXとして作成していくとわかりやすいです。
安全余裕率
予定売上高が損益分岐点売上高からどの程度離れているかをみるものです。
予定売上高
予定売上高が100、損益分岐点売上高が25の場合の安全余裕率を見ていきます。
100(予定売上高)-25(損益分岐点売上高) ×100
100
結果、安全余裕率は75%となりました。