わかりやすく解説! 工業簿記

労務費 当月

 

資料

会社を設立し、4月1日から1人雇った。
給与は、20日締めの25日払いとした。
年間予定賃金総額 750,000
年間予定就業時間 1,500

直接工の作業時間
4月1日~4月30日まで
直接工作業時間 100
間接作業時間 15
手待時間 5
合計 120

直接工の出勤時間
4月1日~4月20日 90
4月21日~4月30日 30

4月1日~4月20日分
直接工給与総支給額 45,000

予定消費額算定

予定消費賃率算定

750,000(年間予定賃金総額) =500
1,500(年間予定就業時間)

 

予定消費額算定

直接労務費
@500(予定消費賃率)×100(4月1日~4月30日までの直接作業時間)
=50,000

間接労務費
@500(予定消費賃率)×(15+5)(4月1日~4月30日までの間接作業時間、手間時間)
=10,000

 

予定配賦額振替

直接労務費

借方 金額 貸方 金額
仕掛品
(直接労務費)
50,000 賃金 50,000

 
間接労務費

借方 金額 貸方 金額
製造間接費
(間接労務費)
10,000 賃金 10,000

 

当月支給額

当月支給(4月1日~4月20日分)は下記のようになりました。
直接工給与総支給額:46,000
ので、仕訳を行います。

借方 金額 貸方 金額
賃金 46,000 現金 46,000

当月未払賃金

月次決算は4月1日~4月30日の1ヶ月分を報告しなければなりません。
4月21日~4月30日の賃金はまだ払っていませんが、未払の労務費として費用計上する必要があります。

@500(予定配賦額)×30(時間。4月21日~4月30日)=15,000

借方 金額 貸方 金額
賃金 15,000 未払賃金 15,000

 

賃率差異

賃率差異は、
予定消費額-実際消費額
で求めることができます。
予定消費額
50,000(予定直接労務費)+10,000(予定間接労務費)=60,000
実際消費額
46,000(当月支給)+15,000(未払賃金)=61,000
賃率差異
60,000(予定消費額)-61,000(実際消費額)=△1,000(借方差異)

借方 金額 貸方 金額
賃率差異 1,000 賃金 1,000

 

仕訳で借方差異を再確認

直接労務費

借方 金額 貸方 金額
仕掛品
(直接労務費)
168,000 賃金 168,000

 
間接労務費

借方 金額 貸方 金額
製造間接費
(間接労務費)
28,000 賃金 28,000

賃金 △196,000

 
当月支給額

借方 金額 貸方 金額
賃金 130,000 現金 130,000

賃金 △196,000+130,000=△66,000

 
当月未払賃金

借方 金額 貸方 金額
賃金 70,000 未払賃金 70,000

賃金 △66,000+70,000=+4,000
賃金は借方に+4,000なので借方差異

 

賃率差異

予定配賦により仕掛品に振替えているため、賃金は0にならなければなりません。
そのため、賃金4,000を減少し、相手勘定は賃率差異となります。

借方 金額 貸方 金額
賃率差異 4,000 賃金 4,000

 

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