わかりやすく解説! 工業簿記

正常仕損・異常仕損(個別原価計算)

 

資料

・製造1は仕損が発生したが、補修により製品として出荷できるため、製造1-1を発行して補修を行う。当月に完成した。
・製造2は一部に新たに製造しなければならず、製造2-1を発行して製造を行う。
出荷できない製品(仕損品)は、評価額が20ついた(仕損品評価額)。
仕損費は直接経費で処理。当月に完成した。
・製造3は通常では起こりえない仕損が発生し、異常仕損として処理を行う。
当月現在仕掛中。

それでは、製造1の「補修により良品になる場合」から見ていきます。

補修により良品になる場合

製造1は仕損が発生したが、補修により製品として出荷できるため、製造1-1を発行して補修を行う。当月に完成した。

補修費を仕損費に振替

借方 金額 貸方 金額
仕損費 30 仕掛品 30

製造指図書

 

正常仕損振替

生じた仕損費は、直接経費、間接経費の2つの振替方法があります。

直接経費の場合
直接経費は、関係する製品が負担する方法です。
例えば、製品No.1で生じた仕損費(No.1-1)は、製品No.1が負担する方法です。

仕損費は、直接経費で処理する。

借方 金額 貸方 金額
仕掛品 30 仕損費 30

製造指図書

間接経費の場合
間接経費は、発生した部門が負担する方法です。

仕損費は、間接経費(切削部門)で処理する。

借方 金額 貸方 金額
切削部門 30 仕損費 30

製造指図書

新たに製造した場合

上記では、補修により良品になりましたが、補修で製品として出荷できない場合があります。
その場合、新たに製造することになります。それでは、設例を見ていきます。

製造2は一部に新たに製造しなければならず製造2-1を発行して製造を行う。
出荷できない製品(仕損品)は、評価額が20ついた(仕損品評価額)。
仕損費は直接経費で処理。当月に完成した。

 

仕損品評価額、仕損費計上

出荷できない製品に価値がある場合には、仕損品(金額は仕損品評価額)となります。
差額は仕損費となります。

仕損品に評価額20がついたので、仕損品20を計上します。
差額を仕損費として処理します。

借方 金額 貸方 金額
仕掛品 20① 仕掛品 60
仕損費 40  ―

①仕損品評価額
製造指図書

 

仕損費振替

直接法又は間接法により負担させます。

借方 金額 貸方 金額
仕掛品 40 仕損品 40

製造指図書

 

異常仕損

製造3は通常では起こりえない仕損が発生し、異常仕損として処理を行う。
当月現在仕掛中。

 

補修費を仕損費に振替

借方 金額 貸方 金額
仕損費 300 仕掛品 300

製造指図書

 

損益に振替

借方 金額 貸方 金額
損益 300 仕損費 300

製造指図書

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