わかりやすく解説! 工業簿記

原価差異 計算式まとめ


予定もしくは標準原価計算で発生する原価差異をまとめました。

材料費会計

材料消費価格差異

消費額を予定価格で計算した場合

材料消費価格差異
予定消費額-実際消費額

材料受入価格差異

購入を予定価格で計算した場合

材料受入価格差異
(予定価格-実際価格)×実際購入量



労務費

賃率差異

消費額を予定賃金で計算した場合

賃率差異
予定消費額※-実際消費額
※予定消費額
予定消費賃率※1×実際作業時間
※1予定消費賃率
基本賃金予算+加給金予算+(賞与・諸手当予算)
        予定総就業時間



製造間接費

製造間接費配賦差異

各製品に配賦時に予定配賦で計算した場合

製造間接費配賦差異
予定配賦額※-実際発生額
※予定配賦額
予定配賦率※1×実際操業度
※1予定配賦率
基準操業度の製造間接費予算額
     基準操業度
【製造間接費配賦差異内訳】
予算差異
実際操業度における予算許容額※2-実際発生額
※2実際操業度における予算許容額
(変動率×実際操業度+固定費予算額)
操業度差異
固定費率×(実際操業度-基準操業度)

材料副費

材料副費配賦差異

材料副費配賦差異
予定配賦額※-実際発生額
※予定配賦額
予定配賦率※1×実際購入量
※1予定配賦率
 予算額 
予算購入量



部門別計算

配賦法による予定配賦で計算した場合

変動予算差異
(変動費率×実際操業度)-変動費実際発生額
固定費予算差異
固定費予算額-固定費実際発生額
操業度差異
固定費率×(実際操業度-基準操業度)



標準原価計算

直接材料費、直接労務費、製造間接費に対し予定額で計算した場合で、
直接材料費:価格差異、数量差異
直接労務費:賃率差異、時間差異
製造間接費差異:予算差異、操業度差異、能率差異
等が発生します。

それでは、1つずつみていきます。

材料

直接材料費差異
標準直接材料費-実際直接材料費
【直接材料費差異内訳】
材料価格差異
(標準価格-実際価格)×実際消費量
数量差異
(標準消費量-実際消費量)×標準原価


労務費

直接労務費差異
標準直接労務費-実際直接労務費
【直接労務費差異内訳】
賃率差異
(標準賃率-実際賃率)×実際作業時間
作業時間差異
標準賃率×(標準作業時間-実際作業時間)


製造間接費

製造間接費差異
標準配賦額-実際発生額
【製造間接費差異内訳】
予算差異
実際操業度における予算許容額※-実際発生額
※実際操業度における予算許容額
(変動率×実際操業度+固定費予算額)
操業度差異
固定費率×(実際操業度-基準操業度)
能率差異
標準配賦率×(標準操業度-実際操業度)



全部標準原価計算

材料

材料価格差異
(標準価格-実際価格)×実際消費量
数量差異
標準原価×(標準消費量-実際消費量)


労務費

賃率差異
(標準賃率-実際賃率)×実際作業時間
時間差異
標準賃率×(標準作業時間-実際作業時間)


製造間接費

予算差異
製造間接費予算額-製造間接費実際発生額
能率差異
標準配賦率×(標準操業度-実際操業度)
操業度差異
標準配賦率×(実際操業度-基準操業度)



直接標準原価計算

材料

材料価格差異
(標準価格-実際価格)×実際消費量
数量差異
標準原価×(標準消費量-実際消費量)


労務費

賃率差異
(標準賃率-実際賃率)×実際作業時間
時間差異
標準賃率×(標準作業時間-実際作業時間)


製造間接費

変動間接費予算差異
製造間接費予算額-製造間接費実際発生額
変動間接費能率差異
標準配賦率×(標準操業度-実際操業度)
変動販売費予算差異
(標準価格-実際価格)×販売量

※操業度差異
なし。操業度差異は固定費に関する差異のため。

予算実績差異

売上高差異

販売価格差異
(実際単価-予算単価)×実際数量
販売数量差異
(実際数量-予算数量)×予算単価


売上原価差異

売上原価価格差異
(予算単価-実際単価)×実際数量


売上原価数量差異
(予算数量-実際数量)×予算単価


販売費差異

変動販売費予算差異
(予算単価-実際単価)×実際数量
変動販売費数量差異
(予算数量-実際数量)×予算単価